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 米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイが沖縄に配備されて、10月1日で5年が過ぎた。沖縄側の強い反対を押し切って普天間飛行場(宜野湾市)に配備され、事故やトラブルが相次いでも、地元の反発は届かない。オスプレイは、沖縄にとって日米両政府への不信の象徴となっている。

■操縦士の顔見えるほど…

 沖縄本島北部の宜野座(ぎのざ)村城原地区。集落近くの森にある米軍のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)には、毎日のようにオスプレイが飛んでくる。

 「ヘリと違い体に響く独特の低音。家の窓ガラスが震える」。10年前に東京から移り住んだ登山家の雨宮節(あめみやたかし)さん(81)は話す。

 沖縄防衛局による騒音測定では、ヘリパッドから約400メートル離れた民家で、今年3月までの1年間に「地下鉄の車内」並みの80デシベル以上が、1千回以上あった。午前0時ごろまで離着陸訓練が繰り返される。今年7月には、兵士や物資をつり下げて民家のすぐ近くを旋回するのが目撃された。「低空飛行で操縦士の顔まで見える」

 城原区は2013年、抗議集会を開いた。住民約300人のほとんどが参加し、オスプレイ撤去を決議した。村議会も今年7月、抗議決議を可決した。

 でも、状況は変わらない。雨宮さんは本土の登山仲間と、沖縄の観光の話題では盛り上がるが、米軍基地の話に反応はない。「沖縄は遠い。私だって関心が無かった。のんびりしようと思って来たら、とんでもないことになっていた」

 沖縄本島の北西にある伊江島。米軍伊江島補助飛行場へのオスプレイの飛来は、伊江村職員が目視しただけで3千回を超える。「この爆音のひどさは聞かないとわからんよ」。基地の近くで畜産業を営む平安山良尚(へんざんよしひさ)さん(55)は言う。

 母牛26頭を飼う。因果関係はわからないが、2年ほど前、1頭が初めて胎盤剝離(はくり)で早産した。若い牛の繁殖障害も増えたと感じる。

 島の35%が米軍基地。軍用地料をもらっている人もいて、基地被害を感じても、小さな島では「反対」を口に出しにくい。

 平安山さんはオスプレイの音を聞くと、基地のフェンスへ車を走らせ、空を見つめる。普天間のオスプレイは昨年末に名護市沖で1機が大破し、8月には豪州で墜落した。それでもオスプレイは以前と変わらず沖縄の空を飛び続けている。

 「音を聞くと怒りがこみ上げて。ここで見ているぞとアピールするわけさ」(小山謙太郎、安田桂子)

■飛行制限、ルール守…

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