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 過激派組織「イスラム国」(IS)が28日、最高指導者、アブバクル・バグダディ容疑者の肉声だとする録音声明をインターネット上に公開した。テロ攻撃を強化するよう支持者に呼びかけたほか、日本が直面する北朝鮮の脅威にも言及した。ISがイラクとシリアで拠点を失う中、死亡説を打ち消し、存在感を示す狙いがあるとみられる。

 音声は45分あまり。バグダディ容疑者本人のものとされる声明は、2016年11月以来。録音の日時や場所は不明だが、イラクのクルディスタン地域政府(KRG)が独立への賛否を問う住民投票を実施したことについて、「トルコ政府は、トルコのクルド人が独立を希求する可能性に恐れながら生活している。戦争は不可避だ」と指摘するなど、最新の情勢を反映した内容になっている。「北朝鮮は米国と日本に対し、核による脅威を与えている」と述べ、北朝鮮の核開発にも言及した。

 ISは7月にイラクの最大拠点モスルをイラク政府軍に奪還されるなど、本拠地のイラクとシリアで拠点を失いつつある。だが、声明は「敵に対して戦火を上げよ。すべての地で攻撃を強化せよ」などと呼びかけ、現在の劣勢は「神による試練」であると説明した。

 バグダディ容疑者については今年6月、ロシア軍がシリアで5月に実施した空爆により死亡した可能性があると報じられていた。一方、米国のマティス国防長官は、同容疑者死亡の確認ができないとして6月、「生存していると想定する」と述べていた。(ドバイ=渡辺淳基