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 神戸市兵庫区の雑貨店で万引きをしたとして、窃盗罪に問われた同区の車いす利用者の男性(76)に対し、神戸地裁は28日、無罪(求刑懲役1年2カ月)を言い渡した。安達拓裁判官は「窃盗の故意を認定できない」と述べた。

 判決によると、男性の起訴内容は3月1日、店舗前に陳列されていたキャットフード6点(計1044円)を持参したレジ袋に入れ、万引きしたというもの。男性は自分の車いすの座面に商品を置き、両手でいすを押しながら店の反対側に抜ける路地に入ったところで、店長に呼び止められた。

 判決は、店内の通路は段ボールや脚立が置かれ、車いすで通るには狭かった、と指摘。男性が店の反対側にあるレジに行くのに「路地を利用したいと考えるのは不合理とまではいえない」と述べた。

 神戸地検の永幡無二雄(むにお)次席検事は「判決内容を検討し、上級庁と協議して適正に対応したい」とするコメントを出した。