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 高校の生物の教科書で扱われる用語が2千語を超え暗記科目という誤解を生んでいるとして、日本学術会議の分科会は29日、学習すべき用語を512語に絞るよう提言をまとめ、発表した。高校の学習指導要領が今年度中に改訂されるのを前にまとめた。

 分科会によると、生物は扱われる用語が多く、生徒から知識の詰め込み科目だと受け止められ、大学で生命科学を志望する高校生も大学入試の選択科目で生物を敬遠しがちという。

 学術会議は4月から検討を始め、研究論文の頻出語などを参考にしつつ、履修に必要な用語を絞る議論を進めてきた。生命の設計図であるDNAが二重らせん構造である説明は求めつつ、構造を発見した研究者ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックの名は重要語から外した。

 病名でも、がんは細胞の分裂を学ぶ上で重要だとして残したが、エイズなどほかの病気は生物学を学ぶ上で必須ではないとして外した。化学物質もピルビン酸など必要最低限に絞った。

 分科会委員長の中野明彦・東京大教授は「生物学は思考力を問う科目であって欲しい。512語は今後も適宜見直したい」と話した。学術会議が選んだ512語はホームページ(http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-23-h170928-1.pdf別ウインドウで開きます)で公開している。(杉本崇