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 「揺れる揺れる!」「バランスとって!」

 秋晴れのもと、今にも沈みそうな灰色のカヌーをこぐ学生たちの声が響く。29日、横浜市金沢区の侍従(じじゅう)川でコンクリートでつくったカヌーのレースが開かれた。

 昔話のかちかち山を思わせる光景だが、「エコ・コンクリートカヌーコンペ」といい、今年で41回目を迎える歴史あるイベントだ。主催は関東学院大学(横浜市)で、コンペの推進責任者の建築・環境学部、渡部洋准教授によると、学生にものづくりに興味を持ってもらおうと、海外にある同様のイベントを参考に始めたという。「建築に携わるものにとって、コンクリートは身近な素材で、手をかけた分だけ、強度が増すところにやりがいも生まれる。実際に触って素材の性質を体感してほしい」と話す。

 3人以上が乗れるカヌーが条件で、学生たちは夏休み期間を利用して製作に取り組んだ。廃材の段ボールで型を作り、コンクリートを何層も塗りつけて仕上げてある。廃材を使うところが「エコ」だ。

 レースは川を往復する約600メートル。予選ではスタートラインに着くまでにバランスを崩し、転覆したカヌーもあった。湘南工科大学の学生も参加して11チームが競い、優勝タイムは8分23秒だった。

 優勝チームの塚田秀朗さん(19)は「準備は2カ月。スピードが出るように細い形に挑戦しました」。高桑健さん(20)はコンクリートカヌーについて「浮かべてみるまでわからないのが楽しい」と話した。(野口みな子)