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 凍結保存していた精子を無断で処分されたとして、大阪府池田市の夫婦が大阪市立総合医療センターを運営する大阪市民病院機構と当時の担当医に計1千万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁が今月、和解案を示していたことがわかった。病院側が解決金100万円を支払うなどとする内容で、原告側は受け入れる方針。

 訴えていたのは会社員北村哲也さん(32)と妻(30)。訴状などによると、北村さんは血液を正常につくれない病気で2003年に同センターに入院。治療で精子細胞が壊れる恐れがあり、センターで同年12月と翌年1月、液体窒素で精子を凍結し保存。しかしセンターは14年夏ごろ、無断で液体窒素の補充を打ち切ったため精子の機能が失われ、結果的に不妊治療の道が絶たれた。

 地裁が示した和解案は、解決金支払い▽病院側が書面で確認を取らないまま凍結精子を処分したことについて「遺憾の意」を表明▽今後は文書での同意や定期的な意思確認をする――との内容。

 原告側は病院の再発防止の姿勢などを評価し受け入れる方針。一方、同機構は「裁判中」としてコメントしなかった。