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 東日本大震災の津波で太平洋に流れ出た船などに付着し、生きたまま米国やカナダに流れついた生物が289種類にのぼることが米オレゴン州立大などの研究でわかった。自然に分解されにくいプラスチックなどの人工物の影響が大きく、漂流の間に繁殖したとみられる例もあったという。

 29日付の米科学誌サイエンスに論文が掲載された。

 研究チームは2012~17年、北米大陸の西海岸やアラスカ、ハワイに到達した船や桟橋、ブイなど634の漂着物について、付着したり中に入り込んだりした生物を調査。二枚貝やフジツボ、ホヤの仲間やイシダイなどの日本由来の生物289種類を確認した。

 震災から6年近くたって生きた状態で漂着したものもあった。それまで現地に生息していなかった種もいたという。明治三陸地震(1896年)や昭和三陸地震(1933年)の津波では漂着物の報告がなく、20世紀中盤以降に普及したプラスチックなどの材料で長距離を移動しやすくなったとみられるという。

 チームは、地球温暖化で台風の強さが増すなどして人工物が流出しやすくなれば、外来種が海を渡る可能性も高まると指摘する。(竹野内崇宏)