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 ドイツ・オーベルストドルフで行われた平昌五輪最終予選を兼ねたネーベルホルン杯で、アイスダンスの五輪出場枠を獲得した日本の村元哉中(かな)、クリス・リード組(木下ク)。彼らのプログラムには、冬を越えて桜が咲くまでの姿を表現する仕掛けがある。演技途中で、村元の衣装のピンクが、より明るく鮮明になる。

 村元、リード組は30日のフリーで、坂本龍一作曲の映画音楽「ラストエンペラー」「戦場のメリークリスマス」で冬のつぼみの桜が満開になるまでを表現した。

 村元の衣装の両肩の肩ひもにあたる部分をテープで留めている。演技中盤で、村元が踊りながらテープをはがすと、下に隠れていた桜の飾りとともに別の衣装が表れる。「暗い寒い冬のつぼみが開き、フィニッシュではバーンと咲き誇る」という構成だ。リードは、太陽や雨などを表現する役割を持つ。

 衣装が変わるところでは、戦場のメリークリスマスの一節を、ピアノがソロで奏でる。村元は「なんとも言えない良い気持ちになれる」と話す。

 2人はこの演技について「私たちのスケート人生と重なる」と話す。2015年に結成。昨季はリードのけがでNHK杯を欠場した。世界選手権ではSD上位20組によるフリーに進めなかった。昨季は技術のことばかり考えて「守りに入る自分たちがいた」という。

 今季は、踊ること、演じることに集中できている。自分たちがのめり込める曲と物語で、その潜在能力を一気に開花させようとしている。村元が「夢の夢の夢の舞台」という五輪は、今季の全日本選手権などの成績で決まる。「私たちも桜のように満開に咲きたい」(後藤太輔