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 長時間労働が、なかなかなくなりません。「長く頑張ることは当たり前」といった意識や文化が残る職場が少なくないなか、どうすれば働き過ぎを是正できるのでしょうか。企業や政治の掛け声倒れに終わらせず、少しでも前進させるために、いますべきこととは。

 

■建設コンサルタント会社員 油谷百百子さん

 「成果を出すためには、残業せざるを得ない」

 私が働く、社会インフラの企画・調査・設計の業界では、こんな意識が長くありました。金曜日の午後に打ち合わせをし、「月曜の朝一番で資料を」と求められることもしばしば。働き方の見直しを始めた2009年当時、納期が集中する年度末には、月の平均残業時間が80時間を超えていました。いまは50時間程度に減らせましたが、当時は「仕方ない」と思っていました。

 なぜ、見直したのか。優秀な人材がこないと企業も業界も健全な姿で成長を続けられない、という危機感があったからです。土木業界で働くことが敬遠されるようになり、我が社の労働組合からは「働きやすい環境を」との要望が出され、働き方のコンサルタントの力も借りて動きだしました。

 従業員十数人のグループ単位で取り組み、改善策を自主的に提案、実行してもらいました。業務の「因数分解」を進め、むだな作業を減らしたり、割り振りを工夫したりして、特定の人や時期に負担が集中することを避けました。

 「帰れ」と社長らが呼びかけるノー残業デーのポスターも貼り出しました。浮いた残業代は賞与の原資にあてると社員に約束し、収入は減らないしくみにして理解を得ました。

 私たちの仕事は、街づくりなど後世に残るものが多い。長時間働いてでも、納得のいく成果を出したい、という人が少なくない。自発的な残業に歯止めをかけるため、管理職には「若いころは2日間も徹夜した」といった武勇伝ではなく、限られた時間で成果を上げる手法を考えてもらいました。

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 進めるなかで、現場の社員から…

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