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 サッカーのスペイン1部リーグの強豪バルセロナのDFジェラール・ピケが1日、生まれ故郷であるカタルーニャ州の分離独立の是非を問う住民投票に伴い、治安部隊と市民が衝突して多数の負傷者が出たのを憂え、「もし、監督やスペインサッカー協会の誰かにとって私の存在が迷惑なら、2018年(W杯)を前に代表チームを去ってもいい」と語った。1日、本拠でのラスパルマスとの無観客試合で勝利した後、涙ながらに覚悟を口にしたと地元メディアなどが報じた。

 スペイン代表として、10年ワールドカップ初優勝、12年欧州選手権優勝に貢献したピケは独立支持派として知られ、ツイッターで事前から投票を呼びかけていた。「市民は暴力に訴えずに抗議した。平和的な方法で住民投票を阻止するのかと思った。しかし、誰もが何が起きたのかを目撃した。これはこの半世紀で最悪の判断だ。より分裂を深めるだけだ」と治安部隊を出動させて制圧を試みた中央政府を非難した。州政府によると混乱でけがをした市民は800人以上に上る。即日開票で約9割が独立に賛成したが、今回の投票は、根拠となる州法が憲法裁判所の判断で効力を停止されている。

 カタルーニャ州バルセロナの本拠カンプノウは、独裁者フランコの圧政下で地域言語カタルーニャ語が禁じられた時代に唯一、公共で地元言語を叫ぶことができた場所とされ、クラブは地域の象徴的な存在だ。この日の試合は試合延期の要望をリーグ側に拒否されたバルセロナが「表現の自由という民主主義的な権利を阻害する事態を非難する」と声明を出し、抗議の意味で急きょ無観客での開催となった。開幕からの連勝を7に伸ばしたバルベルデ監督は「我々はカタルーニャの代表で人々を幸せにするため絶対に勝ちたかった」と語った。

 首都を本拠とするレアル・マドリードとの対決は、バルセロナのメッシ、レアルのクリスティアノ・ロナルドという当世2大スターの競演もあり、世界が注目する「クラシコ」として名高い。1日、レアルは本拠でエスパニョールと対戦、観客席ではカタルーニャの独立に異を唱え、国家としての団結をアピールするためにスペイン国旗が多数掲げられた。(ロンドン=稲垣康介