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 日本で飲まれているウイスキーの3割近くを占めるサントリーホールディングスの「角瓶」が発売から80年になった。ウイスキーと言えば輸入品だった戦前に生まれ、苦しい時期を乗り越えてきた。この10年は炭酸水で割るハイボールが受け、今年は過去最大の販売量になりそうだ。

■ハイボールで復活へ

 「ハイボール酒場」の黄色い看板が目立つ東京・銀座の立ち飲み居酒屋「マルギン」。仕事帰りの会社員らが次々と「角ハイボール(角ハイ)」を注文し、店員がひっきりなしに金色の専用のサーバーからジョッキに注いでいく。

 マルギンは、サントリーがハイボールに力を入れ始めた2008年に売れ行きを見る店だった。担当した奈良匠さん(38)は当時、「ウイスキーが抱える『三重苦』を乗り越えられる」と手応えをつかんだ。

 三重苦とは「おじさんが飲む古くさいイメージ」「アルコール度数が高く飲みにくい」「飲める店が少ない」。08年度の国内のウイスキー販売量はピークだった1983年度の5分の1に落ち込んでいた。

 その復活をハイボールにかけた。各地の営業担当者が「若者が飲んでいる」と報告していたからだ。使うウイスキーを角瓶にしたのは、サントリーで最も販売量が多く、値段も手ごろだからだ。ハイボールにすると、アルコール度数はビールより高いが、値段はほぼ同じ1杯400円前後で出せる。

 飲みやすい割り方をウイスキーと炭酸水を1対4と決めた。自動的にその比率で出る専用のサーバーもつくり、09年末には角ハイが飲める店を全国で6万店に増やし、缶入りも出した。リーマン・ショックも重なり、消費者の節約志向が強まっていた。奈良さんは「ほどよく酔えて財布にもやさしい。時代の追い風もあった」と振り返る。

 角ハイから始まったハイボール…

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