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 経営するパブで働くフィリピン人の女と、金を貸した客の男や店員ら6組を偽装結婚させたとして、大阪府警は、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで同府泉佐野市のパブ経営森下五十司(いとし)容疑者(59)を逮捕・送検したと3日発表した。森下容疑者は高金利のヤミ金融も営んでおり、借金やパブの未払い金がある男、もうけ話に乗った男らに偽装結婚をもちかけていたという。

 府警によると、森下容疑者は2013年12月~15年7月、大阪府の泉佐野市、岸和田市、熊取町に虚偽の婚姻届を出させ、6組を偽装結婚させた疑いがある。女たちは森下容疑者が泉佐野市で営むパブ2店で働いており、男たちはその店の客や店員だった。森下容疑者は「引き合わせたのは間違いないが、本人たちの意思で結婚した」と容疑を否認しているという。

 府警は今年4月以降、妻役のフィリピン人の女のうち5人(24~34歳)を逮捕、1人を書類送検し、大半はすでに強制送還された。夫役の大阪府内の男6人(40~63歳)も逮捕・起訴され、大半は執行猶予付きの有罪判決が言い渡された。夫婦の実態はなく大半が別居していたという。

 府警によると、6組とも「森下容疑者が手引きした」と説明し、女たちは「日本で長く働くためにやった」、男たちは「借金があって断れなかった」などと供述しているという。森下容疑者は借金やパブの料金のつけを「帳消しにする」ともちかけ、男たちに偽装結婚を提案。夫役の中には約200万円を借金していた男もいたという。

 入国管理局によると、日本人と結婚した場合、在留期間や結婚の実績に応じて6カ月~5年の在留資格を得ることができる。

 森下容疑者は夫役の男を連れてフィリピンに行き、結婚式を挙げさせた後、妻役の女と一緒に帰国させていた。府警は、結婚式の写真を入国審査時に使い、偽装結婚が疑われないよう工作したとみている。

 森下容疑者は電磁的公正証書原本不実記録・同供用罪のほか、貸金業法違反(無登録営業)や出資法違反(高金利)の罪でも追起訴され、大阪地裁岸和田支部で公判が続いている。(楢崎貴司、米田優人)