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 約700球のボールが盗まれた茨城県立日立北高校(日立市)硬式野球部あてに9月上旬、大きな段ボール1箱が届けられた。

 送り状には「仁志より」とあり、中には硬式球が11ダース(132球)も入っていた。差出人は元プロ野球選手の仁志敏久さん(45)だった。

 「新チームが始動して間もない頃で、練習も苦労されていると思います。この苦難に負けず、秋の公式戦を頑張ってください」。箱の中には、こんなメッセージが同封されていた。山田徹監督(53)は「元プロ野球選手がうちの学校の被害を気にかけてくれたとは」と胸が熱くなったという。

 仁志さんは古河市出身で、高校時代は常総学院高校で甲子園にも出場した。朝日新聞の取材に「公立高校は、予算が限られているので、微力ながら力になりたいと思った」と語った。約500球が盗まれたという鬼怒商高校(結城市)にもボールを贈ったという。

 県出身の元スター選手からのサプライズに、被害で落ち込んでいた日立北の選手たちにも明るさが戻った。選手から仁志さんに送られた礼状には、こんな力強い言葉があった。

 「道具があることが当たり前だと思っていたけど、練習が出来るのは多くの方々のお陰。感謝の気持ちを忘れずに練習します」(笹山大志)