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 森友・加計問題で追い込まれた安倍晋三首相の突然の解散。小池百合子・東京都知事の新党結成で加速する野党再編。混沌(こんとん)とした政治の底流には、一体何があるのでしょうか――。

 歴史学者の加藤陽子氏(56)は「国家と国民の関係が大きく変わっている」と指摘します。歴史を振り返ると、今と同じように国家が「私的領域」に侵入する時代がありました。

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 立憲民主党代表の枝野幸男氏の演説を聞き、ある言葉を思い出しました。「枝野寝ろ」。東日本大震災の時、官房長官として不眠不休で会見する枝野氏に対しSNS上で飛び交った、国民からのエールでした。課題に対し全責任を負う精神を持つ人を、先哲は「政治的人間」と評価しました。今の枝野氏はそれに近いのではないでしょうか。

 世界中で国家と国民の関係が大きく変化しています。ここで国家とは行政府を意味します。世界では、国民の側が国家に「NO」を突きつけましたが、日本では国家の側から国民との関係を急速に変えた点が特徴的。今の混沌(こんとん)の理由も、ここにあります。

 戦後日本が培った原理に、「私的領域」と「公的領域」の明確な区別があります。近代立憲国家として必須のこの原理に、安倍政権は第一次の時から首相主導で手をつけ始めました。

 2006年に60年ぶりに改正された教育基本法では、前文の「真理と平和を希求」が「真理と正義を希求」に修正されました。「平和」は一義的ですが、「正義」の内容は価値観によって違い、国家が定義すべきものではありません。

 明治の日本が学んだ西欧の憲法…

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