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 ガラスに描かれた絵を幻灯機で映し出す「江戸写し絵」を、380年の伝統を誇る江戸糸あやつり人形「結城座」が2日夜、東京都内を流れる隅田川の屋形船で復活上演し、別の屋形船から約100人の観客が見物した。同座による船上上演は約150年ぶりという。3日夜も旧中川で和船を使って行われた。

 写し絵師たちは、「風呂」と呼ばれる箱型幻灯機を最大で6台使用。ガラス(厚さ0・3ミリ、6センチ四方)をはめ込んだ「種板」を風呂に差し込み、風呂ごと前後左右に動かしたり、回転させたりしながら、スクリーン(縦2・5メートル、横約5メートル)の背後から日本の四季の絵や「播州皿屋敷」の物語を躍動感豊かに投影した。

 「播州皿屋敷」では、妖艶(ようえん)なお菊や唐草模様の皿の絵が投影され、写し絵師たちは「いちま~い、にま~い」とせりふを語り、闇夜におどろおどろしさを演出した。外国人客に向けて、通訳が随時、英語でも説明した。インドネシア人の女性客は「インドネシアでも影絵があるけれど、写し絵は実に魅惑的ですね」と話していた。

 座長の十二代目結城孫三郎さん(73)は「隅田川の風物詩として定着させたい。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを目指し、継続できたらいいと思う」。「播州皿屋敷」の約90枚の原画を描き下ろしたイラストレーターの宇野亞喜良さん(83)は「お菊を色っぽく、コウモリも登場させるなど、日本画とは違うタッチで描いた」と話した。(山根由起子)