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 京都大医学部付属病院(京都市左京区)は3日、通院中の60代の女性患者が、処方箋(せん)で指示されたよりも高濃度のセレン製剤を使用して、先月27日に死亡したと発表した。同病院は製剤をつくった病院側の過失の可能性が高いとみているが、京都府警に届けるとともに、外部の専門家を含む調査委員会を設け、つくる工程や管理方法を検証するという。

 病院によると、女性は自宅で週1回、同病院でつくられたセレン製剤を点滴していた。9月26日夕方、自宅で点滴したところ夜間に背中の痛みを訴え、27日朝に同病院を受診。CT検査などで異常はみられなかったが数時間後に死亡した。

 病院に残っていたセレン製剤を調べたところ、セレンの濃度が医師の処方箋より738倍高い4万1700マイクログラム(1ミリリットル中)だったことが判明した。別の10代の男性患者のセレン製剤でも点滴液の色が変わったと連絡があり調査中だったという。これらのセレン製剤は同病院の薬剤師2人が8月28日に調剤したという。

 セレンは体内の生理機能を保つのに必要な微量元素だが、高濃度だと有毒で神経障害などを引き起こす。稲垣暢也病院長は会見で「亡くなられた患者、ご遺族、関係の皆さんに心よりおわび申し上げます」と語った。(西川迅)