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 かつて男根を意味する「ポー・シャモ(キノコ)」と呼ばれ、山で見つけても蹴っ飛ばされるほどに軽い存在だったマツタケを、地元ブータンの人はどう食すのか。そもそも、食べられているのか。

 その答えはゲネカ村でマツタケが売買されるテントの中にあった。地元のバイヤーがマツタケをハンターから買い取る際、七つ道具のように時折出すのが定規だった。見ると小ぶりのものだけ、定規に当てているようなのだ。聞くと、マツタケ保護の観点から、長さが7・5センチ以下のものは採ることが禁止されているのだという。

 1本を小さいと見定めた女性バイヤーは、目盛りに重ねるや、ポイとそれをよけた。そして、目の前の若い男性ハンターたちを叱った。「あなたたち、最近小さいのばかり採ってくるわね。違反だと何回言ったらわかるのよ」。1人が「早く採らないと、なくなっちゃうから……」と消え入りそうな声で言い返すも、バイヤーはまったく耳を貸さない。当然、買い取ることも、輸出することもできない。

 金に換えられなかったマツタケを仕方なく家に持ち帰り、食べているのだった。ハンターたちに「マツタケ、おいしいですか?」と尋ねると、意外にもほとんどの人が「おいしいですよ」と答えるのだが、おすすめの食べ方を聞くと、「焼いても煮込んでも、まあ、いいんじゃないかな」などと、なんとも自信なげで、要領を得ない。マツタケ好きとして知られる日本人を前にして、優しい村人たちが本音をいえないだけではないのか。

 収穫の現場に同行取材させても…

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