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 スウェーデン王立科学アカデミーは4日、今年のノーベル化学賞を、スイスのジャック・デュボシェ(75)、米国のヨアヒム・フランク(77)、英国のリチャード・ヘンダーソン(72)の3氏に贈ると発表した。たんぱく質などの分子構造を、組織が生きた状態で高精細に調べられる「クライオ電子顕微鏡」を開発した。

 生物の体内にあるたんぱく質などの働きを調べるには、それらがどんな形をしているのかを知るのが重要だ。X線解析だと、たんぱく質の「結晶」をつくる必要があり、手間がかかった。クライオ電子顕微鏡は試料を凍らせ、電子で傷つけられるのを防ぎながら、微細な構造を簡単に調べられる。

 フランク氏は1975~86年に電子顕微鏡の多数の2次元画像からくっきりとした3次元構造を再現する方法を編み出した。デュボシェ氏は80年代初頭に、観察の邪魔になる結晶状の氷ができるのを急速冷凍で避ける手法を開発。ヘンダーソン氏は90年に細菌のたんぱく質を原子レベルで3次元に画像化することに初めて成功した。

 クライオ電子顕微鏡を使えば、今では抗生物質に耐性をもたらすたんぱく質やジカウイルスの表面まで観察できる。薬になりそうな物質を探す医学研究などで幅広く使われている。

 授賞式は12月10日にストックホルムである。賞金900万スウェーデンクローナ(約1億2400万円)を3等分する。

《ジャック・デュボシェ氏》 1942年、スイス生まれ。73年、ジュネーブ大とバーゼル大で博士号取得。ローザンヌ大名誉教授。

《ヨアヒム・フランク氏》 1940年、ドイツ生まれ。70年、ミュンヘン工科大で博士号取得。米コロンビア大教授。

《リチャード・ヘンダーソン氏》 1945年、英国生まれ。69年、ケンブリッジ大で博士号取得。英MRC分子生物学研究所プログラムリーダー。