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 青く染まった横浜スタジアム。歓喜の渦の中心で、ラミレス監督は誇らしげだった。「選手を100%信じてきた。選手自身も自分たちを信じてきた。だから今、この地位にいることができる」。2年連続のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた1日の広島戦。お立ち台に上がった指揮官が強調したのは、「信」の一文字だった。

 就任2年目。采配が変わった。静から動へ。監督自身が「常識外」という戦術を、次々と繰り出した。

 6月には昨季不動の4番で2冠王になった筒香を、3番にシフトした。新人から2年続けて守護神を務めた山崎康も、不調とみるやちゅうちょなく中継ぎに配置転換。犠打が苦手で三振の多い梶谷を2番に起用し、攻撃的な打順にもチャレンジした。

 極め付きは9番に遊撃手の倉本を据えたこと。投手が打席に入るセ・リーグでは9番が投手の“定位置”だが、野手は異例だ。

 うまくいった策も、結果が出なかった策もある。それでも、いつも前向きな言葉を紡ぎ、対話を重ねたラミレス監督に、選手たちの信頼は揺るがなかった。

 主将の筒香は常々言っている。「野球を一番知っているのは監督ですから」。

 一度は抑えを外された山崎康は、ラミレス監督の決断に感謝する。「あれが僕を奮い立たせてくれた。成長できた」。終わってみれば自己最多の68試合に登板。挫折を力に変え、ボールの威力も取り戻した。

 スランプで9番に下げられた倉本は、ラミレス監督から直接かけられた「どう始まるかじゃなく、どう終わるかが大事だ」という言葉が糧になった。後半戦から調子を上げ、全試合出場でシーズンを完走した。

 さあ、CS。厳しい敵地での短期決戦になる。「必ず日本シリーズで横浜に戻ってくる」と宣言したラミレス監督は、どんな言葉で選手を導くか。(波戸健一)

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