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 京都、大阪、兵庫で起きた連続不審死事件で、殺人罪などに問われた筧(かけひ)千佐子被告(70)=京都府向日市=の裁判員裁判が5日、京都地裁であり、4事件の被害者の遺族の意見陳述があった。それぞれ極刑を求めた。

 被告の夫勇夫さん(当時75)の兄は、事件があった2013年12月28日の直後に行った勇夫さん宅におせち料理が用意されていたと振り返り、「弟は正月を楽しみにしていたのだろう。どんな気持ちで死んでいったのか」と声を震わせた。

 事件後、被告が勇夫さんの遺産を手に入れるため印鑑証明の書類を求めてきたといい「結局はお金が目的だったのだろう。申し訳ないとの思いがあるのなら、弟に手を合わせてほしい」と述べた。勇夫さんの妹も涙ながらに「兄は被告を信じ切っていたと思う。最も重い刑罰を与えてほしい」と求めた。

 残る3人の遺族については、中川綾子裁判長が心境をつづった文書を代読。交際相手の本田正徳さん(当時71)の兄は「弟は被告との結婚を本当に喜んでいた。一日も早くこの世から消えて欲しい」。末広利明さん(当時79)の長女は死刑が妥当としながらも、「残りの人生で、被害者の冥福を祈る時間を与えることも必要では」と複雑な心境を述べた。

 意見を述べる勇夫さんの遺族を、被告は落ち着かない様子で見つめていた。陳述前には周囲に「裁判に行くのは気が重い」と漏らしていたという。(安倍龍太郎)