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 iPS細胞からつくった心筋シートでの心不全治療を研究している大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)のグループと第一三共は5日、心筋シートの共同開発を始め、5年後をめどに実用化をめざすと発表した。

 心筋シートの事業化を目的に新設した阪大発ベンチャー企業「クオリプス」(横浜市)に、第一三共が出資。技術を集約し、安定的に販売できる製品を共同で開発する。

 心不全は、血液を体内に送り出す心臓の動きが低下する状態で、悪化すると心筋症や弁膜症などを発症して命を脅かす。第一三共によると、安静時にも心不全の症状がある重症患者は、国内に約5千人。有効な治療法が心臓移植や人工心臓しか残されていない人もいる。心筋シートは自ら拍動するため、こうした患者の心臓に移植することで、心機能を助けることが期待されている。iPS細胞の患者への応用は、心臓では前例が無い。

 同社の中山譲治会長は「革新的な技術を世界に先駆けて患者に届け、次世代につなげたい」と話した。(野口陽)