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 国連が定めた11日の「国際ガールズデー」にあわせ、ネパールから2人の女性が来日している。児童労働の問題に取り組んできた経験などについて語り、日本の女子中高生たちとも交流した。

 国際NGO「プラン・インターナショナル・ジャパン」(東京)の招きで来日したのは、ラージクマリ・チャウダリさん(23)と、アスマ・バスネットさん(19)。

 幼い頃に父を亡くしたラージクマリさんは、9歳で住み込みの家事労働人「カムラリ」に。雇い主の子どものカバンを持って学校へ送った時に、学校という存在を知った。自身は通学できず、「このままカムラリとして死んでいくんだと思っていた」。11歳の時に地元のNGOに救出されて家に戻り、農場で働きながら初めて学校に通った。

 その後、地元の有力者から「大学に行かせる」と約束され、首都カトマンズで再びカムラリに。しかし約束は果たされず、かつての学校の先生の助言で、プラン・インターナショナルのパートナー団体に連絡。教育支援を受けられることになり、カムラリの仕事から解放された。

 アスマさんは13歳の時、社会課題解決のために子ども自らが活動する団体「子どもクラブ」をつくった。地元には、同世代の女の子たちが食べ物も着る物も十分に与えられない劣悪な環境で働かされているれんが工場があった。「心が痛んだ。彼女たちのために声を上げよう、と決めた」

 工場経営者や、幼いカムラリを働かせている家々を訪ね、少女たちを家に帰らせるよう説得して回った。脅されたり暴力を振るわれそうになったりしたことが何度もあったという。

 「女の子らしくない」。声を上げ始めた10代の女の子たちに、周囲は必ずしも好意的ではなかった。でも、アスマさんは「活動をやめようと思ったことは一度もない」と言い切る。

 昨年、2人はプラン・インターナショナルの活動に参加し、全国から集まった少女40人でネパールのバンダリ大統領に面会。インドとの国境に近いラージクマリさんの地元では、生理期間中の少女を不衛生な牛小屋に隔離する風習がある。その風習を禁じることや、児童労働の撲滅などを訴えた。ラージクマリさんは「(ネパール初の)女性の大統領に会ったことで、女の子もチャンスがあれば高い地位に就けると分かり、励みになった」と振り返る。生理中の少女を隔離することは、長年NGOなどが廃止を訴えてきたこともあり、今夏、禁じる法律ができたという。

 2人は5日、私立女子校・玉川聖学院(東京)の中高生と交流。6日には、ジェンダーをめぐる課題についての行政や企業への提言をまとめた同校の生徒らと都庁に同行し、小池百合子都知事に面会した。11日も、活動を支援するヒルトン・グランド・バケーションズの首都圏の拠点5カ所を訪れ、女性と男性がともに活躍できる社会に向けたメッセージを発表する。

 世界の、そして日本の少女たちへ。2人は「女の子の問題について女の子自らが訴えるのは大変なこと。でも怖がらず声をあげて。自分のためのファイターになって」とエールを送る。(三島あずさ)