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 ユーチューブやインスタグラムで活躍する「インフルエンサー」は今や、その影響力の大きさゆえに大企業とコラボすることも珍しくありません。そんななか、「インフルエンサーの現状と、政治の混迷は似ている」と話すインフルエンサーがいます。写真家の米原康正さん。どういうことなのでしょうか。

 ――米原さんは、1990年代から編集者、写真家として東京のカルチャーを見続けてこられました。人気ギャル雑誌「egg」(1995年~2014年)を出したり、AKB48の立ち上げに関わったり。一方で、ティーン誌「ニコラ」では、1997年の創刊以来、読者からの悩み相談にこたえる「ニコラにーさん」も続けておられます。「若者」とくに「女の子」のカルチャーにお詳しいですね。

 ずっと、その時代の若い子たちが共有している意識を知りたくてやってきた。時代を体現したような子たちを使って、雑誌やメディアを作ってきたけど、最近、そういう子がいなくなった。90年代の安室奈美恵みたいに時代を代表する人がいない。

 今も人気者はいるけど、そこに集まる子たちが同じことを考えているわけでもないし、人気もとても小さい。あとすぐ入れ替わる。サイクルが早い。混沌(こんとん)っていう感じ。時代を表す子がいなくなってしまった今、そういう子たちを使って仕掛けることができないから、自分で発信していくしかないと思って。

米原康正インスタントカメラ「チェキ」をメイン機材にする異色の写真家、編集者。インスタグラムのフォロワーは11万5千人、中華圏でも人気で中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」のフォロワーは236万人に上る。

 ――いまは写真を中心に、ご自身の作品を発信することが多いですよね。米原さんのインスタグラムのフォロワーは11万5千人。中華圏でも人気が高く、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」のフォロワーは236万人です。インフルエンサーのひとりとして、今回の選挙で注目しているところはありますか?

 インフルエンサーたちは、何百万人とフォロワーがいるけど、政治に興味が無い人が多い。ファンの子たちも、興味が無い。興味が無いっていうより、彼ら彼女らのコミュニティーに政治とか選挙という要素がない。無だね。インフルエンサーの力を使って選挙ニュースを届けようって思っても、無理だと思うよ。

 ――いきなり下心を見抜かれました。すみません。

 いま、インフルエンサーの中には、過激なことをやって数を稼ぐとか、「ウケ狙い」を最優先にしている人が多いと感じる。ウケ狙いの人たちって、何も考えていないように見える。みんなが期待していることにこたえるだけ。世間的な「流れ」を読んだり、目の前のインタビュアーが期待することをそのまま答えたり。

 俺はそういう人には全然興味ないんだけど、メディアは興味をもつよね。「あなた、数を持っているんでしょ。力あるんでしょ」と。でもそれって過去のテレビ番組の作り方と同じ。視聴率が取れるタレントだから使うっていう。何も考えていない人たちに、何も考えずにぱっと飛びつくのは、危険だと思う。まずは、インフルエンサーにもいろんなタイプの人がいるって知ってほしい。

 ――手厳しいですね。

 今の政治も同じじゃないかな。刺激的な単語、ウケそうな言葉を並べると、支持が集まる。目先の「空気」を読んだ言動が多くて、中長期的な視点がない。今のぐちゃぐちゃした状況だって、人々が何も考えずに「ウケ狙い」の政治家の言葉にぱっと飛びついてきた結果じゃないのか。それで若い子に対してだけ「政治に関心が無いのはよくない」とか、言えないよね。

 ――胸が痛いです……。

 昔のオジサンは「俺が知らない=価値がない」だった。でも時代が変わって、「知らないことは、恥ずかしいことだ」とオジサンが思い始めてきた。だから、新しいものにぱっと飛びついちゃうんだよ。でも、例えばインフルエンサーの「数」に飛びついてしまうのって、例えば芸能人というだけで選挙に担ぐのと近い。知らないことが悪いんじゃない。知らないけど、「これって何なんだろう?」と調べるところからはじめてほしい。

若者のカルチャーに詳しい米原さん。政治は若い世代にどうみられているんでしょうか。自身の呼びかけや周囲の反応をふまえて語ります。

 ――インフルエンサーと政治家…

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