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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を差し止めるよう、沖縄県が国に求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、那覇地裁(森鍵一〈もりかぎはじめ〉裁判長)であった。翁長雄志(おながたけし)知事が法廷に立ち「辺野古ありきで新基地建設に突き進む国の論理が、法令の手続きをないがしろにしている」と訴えた。

 辺野古問題をめぐる国と県との一連の訴訟で、知事として出廷するのは4度目。翁長氏は「無許可の岩礁破砕行為が今まさに行われようとしている状況を放置できない」と提訴の理由を語った。国が「知事の岩礁破砕許可は不要」と主張していることには「積み重ねられてきた漁業関係法令の運用に関する見解を、国は辺野古案件のため、恣意(しい)的にねじ曲げた。法の安定性が危ぶまれ、すべての地方公共団体の自主性と自立性が脅かされかねない重大な問題だ」と批判した。

 自身が普天間飛行場の県内移設に反対する理由については「戦後72年を経た現在もなお、国土面積の約0・6%である沖縄県に約70・4%の米軍専用施設が存在する状況は異常だ。日本の安全保障が大事であるならば、日本国民全体で考えるべきだ」と述べた。

 辺野古の工事をめぐって国と県が争う裁判は、この訴訟で5件目。うち3件は昨年3月に和解し、その後、国が翁長氏の埋め立て承認取り消しを違法だと提訴。昨年末の最高裁判決で県の敗訴が確定した。

 承認の効力が復活したことで、国は今年4月、埋め立ての第1段階となる辺野古沿岸部の護岸工事を始めた。翁長氏は、海底の岩礁を壊す工事に必要な知事の許可を国が得ていないとして、今年7月に差し止めを求め提訴。国は、地元漁協が漁業権を放棄し、岩礁破砕許可を得る必要はなくなったと反論している。(上遠野郷)