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 マダニが媒介する感染症として知られる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について、厚生労働省は10日、徳島県で飼い犬から人に感染し、発症したと発表した。いずれも発熱などの症状が出たが、現在は回復している。ペットから人への感染が確認されたのは世界で初めてという。

 厚労省などによると、今年6月、徳島県内の40代男性が飼っている4歳の雑種犬に、発熱や血便などの症状が出て、SFTSウイルスが検出された。県や国立感染症研究所の調査で、飼い主の男性も同月、発熱や下痢などを訴え、1週間の点滴治療を受けていたことが判明。男性の血液からSFTSウイルスの感染を示す抗体が検出された。

 男性にマダニにかまれた痕跡はなく、感染研は男性が犬の世話をする中で唾液(だえき)が手に付着し、目などの粘膜を通じて感染した可能性が高いとみている。厚労省は体調不良のペットを世話する際に体液に触れた場合は、手をよく洗うよう呼びかけている。感染研の西條政幸・ウイルス第一部長はペットのSFTS感染はまれだとして、「健康なペットでは過剰に心配する必要はない」と話している。

 SFTSは春から夏、秋にかけて発生することが多い。国内では2005年以降今年9月27日現在で303人が発症し、うち59人が死亡。多くはマダニにかまれて発症したとみられるが、今年7月には野良猫にかまれた女性が死亡していたことが明らかになった。(野中良祐)