[PR]

 神戸製鋼所が性能データを改ざんして出荷したアルミニウム・銅製品は、車や新幹線、航空機など公共性の高い製品を中心に、幅広く使われていた実態が明らかになった。対象はロケットや防衛装備品にも及び、メーカーや関係省庁は確認に追われている。

 問題の製品を納めた直接の取引先は約200社だが、神鋼は企業名を明かしていない。取引先が加工して転売しているケースもあり、最終製品として消費者に届けられている規模は「多くてわからない」(幹部)という。

 トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、スズキ、マツダ、三菱自動車、スバルの自動車大手7社は問題製品の採用を確認した。ダイハツ工業は他社から買った部品に含まれる可能性は否定できないという。

 車メーカーは出荷までに多段階で独自に安全確認を実施している。国土交通省は「安全基準に対して余裕を持った設計で、現時点ではリコール(回収・無償修理)が必要になる車はなさそうだ」(担当者)とみるが、各社は引き続き安全性の検証を進める。

 問題の製品は、三菱重工業が10日に打ち上げに成功したH2Aロケット36号機でも使っていた。東海道新幹線にも使われ、JR東海によると、車輪などを支えるアルミ製部品などの強度データが改ざんされていた。いずれも社内で安全性は確認したという。米ボーイング社の航空機の部材に使われた可能性もある。

 また三菱重工業、川崎重工業、スバル、IHIの4社は、防衛装備品で使っていたことを国に報告した。航空機のほか、ミサイルや装甲車両などに採用された可能性がある。防衛省幹部は「強度が弱いと運用期限が短くなるなど影響が出かねない」と懸念する。(青山直篤、伊藤嘉孝)