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 米環境保護局(EPA)のスコット・プルイット長官は10日、発電所の温室効果ガス排出規制「クリーンパワー・プラン」の撤廃を公式に発表した。3月にトランプ大統領が署名した環境規制見直しの大統領令を受けた措置。石炭などの化石燃料の利用を続け、経済負担を減らすのが狙いだが、ニューヨーク州などが規制撤廃に反発、訴訟の構えを見せており長期化する可能性がある。

 クリーンパワー・プランは、米国の二酸化炭素(CO2)排出量の3分の1を占める発電所からの排出を2030年までに05年比で32%減らす政策でオバマ政権の温暖化対策の目玉。温暖化対策の世界的ルール「パリ協定」で、米国が25年までに05年比で26~28%削減するとの目標を達成するための核となる政策だった。15年に最終版が発表されたが、経済界や産炭地を抱える州などによる訴訟で、まだ施行されていない。

 EPAは撤廃により30年に最大330億ドル(約3兆7千億円)の経済負担が軽減できるとしており、オバマ政権が試算した規制により避けられる健康被害などのメリットは「不確実」として含んでいない。

 プルイット氏は撤廃で「米国のエネルギー源の開発を促し、不必要な負担を減らす」としており、産業界が受け入れやすい代替案を示すことを示唆しているが、時期については明言していない。(ワシントン=香取啓介)