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 世界初の3連つり橋の来島海峡大橋(約4キロ)など、四国と本州をつなぐ島々の橋を歩く「第17回瀬戸内しまなみ海道スリーデーマーチ」(愛媛県今治市、広島県尾道市、日本ウオーキング協会、朝日新聞社主催)が13日に開幕した。15日まで、12コース(6~40キロ)に分かれて歩く。

 今治市の今治城吹揚公園であった出発式では、戦国時代に瀬戸内海で覇権を握った村上海賊に扮した甲冑(かっちゅう)姿の人や参加者らが気勢を上げた。午前8時半から続々と計1128人が出発した。3日間で尾道市までの約80キロを歩く人もいる。

 14、15日とも当日参加できる。問い合わせは大会本部(0898・52・8772)へ。

「橋の上を歩く」体験、絵本に

 3年前に「瀬戸内しまなみ海道スリーデーマーチ」に参加した2人の絵本作家が、大会を題材にした絵本を出版した。海に架かる橋を父と子が励まし合いながら歩き、絆を深める物語。「巨大な橋を歩くと、非日常を体験し、生きる楽しさを実感できる。親子で挑戦して」と参加を呼びかける。

 絵本を出版したのは、愛媛県出身で神戸市在住の高科(たかしな)正信さん(64)と、大阪府豊中市の中川洋典さん(56)。高科さんが文を、中川さんが絵を担当し、絵本「はしをわたって しらないまちへ」(B5判、32ページ)をつくった。福音館書店(東京都)が発行する月刊絵本「こどものとも 10月号」として出版された。

 高科さんが「父と息子の話を書きたい」と構想を練り、巨大な橋の絵を描きたいと思っていた中川さんとの共作につなげた。編集者から「参考になれば」と誘われたのが、瀬戸内しまなみ海道スリーデーマーチ。2014年の大会にそろって参加し、広島県尾道市内から生口(いくち)島までの30キロを7時間かけて歩いた。

 筋肉痛に苦しむなど、大変な思いをしたが、「橋の下を貨物船が走る非日常の世界に感じ入った」(中川さん)、「かんきつ畑が広がる島の風景と暮らしぶりがとても魅力的に見えた」(高科さん)と振り返る。

 絵本に登場するのは、仕事で毎日帰宅が遅い父と息子。久しぶりに囲んだ夕食でこんな会話を交わす。

 「こんどの にちようび おとうさんと うみの うえを あるこうか」

 「えっ。うみの うえを あるけるの」

 海を渡る巨大な橋の上で風に吹かれる大勢のウォーカー、橋の下を行く船、ミカンを振る舞う休息所など、実際に心に残った風景が描かれている。

 高科さんは「朝日や夕焼けに照らされた島々を連想させる『しまなみ』はいい名前。それを冠した大会に参加し、見知らぬ町を歩くと、生きる楽しみを見いだせる」と話す。中川さんは「自分が歩く橋の下の海を船が通る光景はしまなみ海道にしかない。そんな非日常を描きたかった」と語る。

 絵本は389円(税別)。問い合わせは全国の書店か福音館書店(03・3942・1226)へ。(直井政夫)