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 国民年金や厚生年金の加入者が亡くなった時に遺族が受け取る「遺族年金」について会計検査院が調べたところ、受給資格を失った約1千人に対し、日本年金機構が約18億円を過払いしていたことがわかった。検査院は、機構に返還手続きをとらせるよう厚生労働省に求める方針だが、約8億円分は返還を請求できる権利の時効(5年)が成立しているという。

 夫を亡くした妻が再婚するなどして遺族年金の受給資格を失うと、10日または14日以内に年金事務所に届け出る必要がある。

 だが、2014~16年度に資格を失ったと届け出た約2700人について検査院が調べたところ、届け出が期限を過ぎていた約950人に約17億円が過大に支払われていた。なかには、資格を失った人に50年以上も支給していたケースもあった。百数十人分の約8億円については、すでに時効が成立しており、返還が見込めないという。

 また、受給者7千人のサンプル調査の結果、受給資格を失っていたことを届け出ていない人が二十数人いて、約1億6千万円が過大に支払われていた。

 厚労省は「今後は適切に処理するよう年金機構に指示している」としている。(末崎毅、小林太一)

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 〈遺族年金〉 世帯の生計の担い手が亡くなった時、残された遺族が受け取れる年金。国民年金に加入していた人が亡くなった場合などに受け取れる遺族基礎年金と、厚生年金保険に加入していた人が亡くなった場合などに受け取れる遺族厚生年金がある。支給対象者は遺族基礎年金が「子どもがいる配偶者」か「子ども」。遺族厚生年金は「妻」「子どもと孫」「55歳以上の夫・父母・祖父母」。厚生労働省によると受給者は約487万人(2015年度末現在)。