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 神奈川県大井町の東名高速で6月5日夜、停車中のワゴン車が大型トラックに追突され、夫婦が死亡し娘2人がけがをした事故で、現場付近を当時車で通った人が神奈川県警に対し、「(車の)前照灯が左右に何度も動くのをミラー越しに見た」と証言していたことが、捜査関係者への取材でわかった。

 自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)などの疑いで逮捕された福岡県中間市の建設作業員石橋和歩容疑者(25)は、事故直前にワゴン車の前に割り込んで進路を妨害し、車線変更をしても同様の行為を繰り返していた末に、停車させた疑いがある。前照灯の動きがどちらの車のものかは現時点で不明だが、県警は今回の証言は、こうした妨害行為があったことを裏付けるものとみている。

 この事故では、静岡市清水区の車整備業萩山嘉久さん(当時45)と友香さん(当時39)夫婦が亡くなった。県警は2人の娘のほか、石橋容疑者の車に同乗していた女性から話を聴いた。さらに、現場付近を当時走行していた車を洗い出し、260台以上の運転者らに聞き取りを重ね、一部の車からはドライブレコーダーの映像も回収。石橋容疑者が停車前、一家のワゴン車に極端に接近したり、進路をふさいだりしていたことを確認したという。

 当初は、より罰則の重い危険運転致死傷容疑の適用も検討したが、事故が起きたのは停車後で、こうした妨害行為の最中ではなかったことなどから断念。一方、車が高速度で行き交う高速道路上で、視界が悪い夜間に停車させれば、事故につながることは容易に予見できたと判断し、立件に踏み切ったという。(古田寛也、伊藤和也)