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 米国務省は12日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)から脱退するとイリーナ・ボコバ事務局長に通告したと発表した。2018年12月31日付で正式に脱退し、その後は正式加盟国ではなく、オブザーバーとして関与していく方針だという。「米国第一主義」を掲げるトランプ政権の姿勢が改めて示された形だ。

 国務省は声明で「決断は軽いものではない」とした上で、ユネスコに組織としての根本的な改革が必要であると指摘。理由にユネスコが反イスラエルに偏向していることなどを挙げた。また、分担金の滞納が増大していることへの懸念があるとした。

 国務省はユネスコ側に、脱退後も加盟国としてではなく、世界遺産の保護や報道の自由などユネスコが取り組む重要な問題について、米国の知識や考えを提供していく意向を伝えたという。

 米国は2011年、ユネスコがパレスチナの正式加盟を承認したことに反発し、年間8千万ドルの分担金の拠出を停止したままになっている。

 ユネスコにとって米国は予算分担金の約22%を占める最大国で、脱退は大きな打撃となる。米国は1984年にも「政治的偏向」や「放漫な財務管理」を理由に脱退し、2003年に復帰している。(ワシントン=杉山正)