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 神戸製鋼所は13日、検査データ改ざん問題で、新たにグループ9社の9製品で不正があったと発表した。公表済みのものと合わせて計16製品、出荷先は国内外500社にのぼった。新たな不正のうち4製品は主力の鉄鋼製品で、取締役会で把握しながら公表していなかった。製品が使われるのは飲料缶からミサイルまで多岐にわたる。

 前日12日に続き記者会見した川崎博也会長兼社長は「多大な迷惑をかけたことをおわびする」と、改めて謝罪した。

 否定していた鉄鋼製品のデータ改ざんが見つかったうえ、日を追うごとに不正の規模は拡大。取引先の不信感は強まっている。今後、製品の無償交換や取引の停止に及べば、経営そのものが揺らぎかねない。

 新たに判明した9製品は、中国の関連会社でつくった鋼線や、タイ、マレーシアでつくられた銅管など、海外生産拠点にも広がった。さらに神鋼鋼線ステンレス(大阪府泉佐野市)など国内グループ会社の特殊鋼やステンレス鋼線などが加わった。製品の検査を行わなかったり、検査データを改ざんしたりした。

 出荷量は計1万トン超。出荷先はこれまでの約270社から累計500社に膨らんだ。安全性の検証を進めている最中だ。

 一部製品は、過去に「取締役会に取り上げられ、コンプライアンス(法令順守)委員会に報告された」(川崎氏)にもかかわらず公表しなかった。神鋼は「顧客との間で問題解決したため」と隠蔽(いんぺい)を否定。不正の拡大を受けて今回明らかにしたという。

 川崎氏は「安全性に疑いが生じれば迅速に対応する」として、取引先から製品交換などを求められた場合に応じる考えを示した。また、不正が業績に与える影響は不明だとしている。

 川崎氏は不正の原因について、コスト削減の要求などがあったかを問われ、「顧客の需要に対応できる余力の有無や、検査の実態を調べる」と述べるにとどめた。経営責任については「調査に全力を尽くし、進退は慎重に考える」として、早期辞任を否定した。(野口陽)

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