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 いま、夫婦の5・5組に1組が、不妊症の治療や検査を受けている(2015年、国立社会保障・人口問題研究所調べ)。公的保険がきかない治療も多く、休暇制度も未整備だ。衆院選で議論が深まらないことに当事者は憤る。「私たちのこと、見えていますか」

 横浜市の助産師の女性(39)は、かかったお金を計算して「ぞっとした」。

 5年前に始めた不妊治療。12年10万円、13年100万円、14年200万円、15年77万円、16年7万円、17年80万円……。総額は、500万円に近くなる。

 不妊治療には、超音波で卵胞の直径を測り、排卵日を把握するタイミング療法▽濃縮した精子を子宮へ入れる人工授精▽女性から卵子を採りだして受精させる体外受精▽顕微鏡を使って精子を卵子に注入する顕微授精――などがある。

 高い技術が必要な体外受精と顕微授精は「生殖補助医療」と呼ばれ、1回30万円以上かかる。女性は6回試みた。節約しても給料では足りず、250万円あった夫の貯金を切り崩し、気づけば30万円に。治療を中断したこともあった。

 治療が本格化して体外受精に進むと、週2~3回は通院が必要だ。非常勤で週3日、病院で働いていたが、急きょ仕事を休む日も出てくる。育児や介護と違い、不妊治療の休暇制度はなく、上司の理解は得られなかった。「このままでは妊娠できない」と2年ほどで退職した。いまは新しい職場に非常勤で勤める。1回約100万円かかる顕微授精での妊娠を目指すが、休めぬ悩みは変わらない。

 日本では、卵管や精巣の異常を治療する場合やタイミング療法には公的保険が適用される。ただその先の、妊娠率が上がる人工授精や体外受精、顕微授精に保険はきかない。国がそもそも不妊症を「疾病」と認めていないためだ。

 助成金はあるが、金額は1回最大15万円(初回のみ最大30万円)。厚生労働省の調査(13年)では、ドイツやフランスは不妊治療に保険を適用している。両国とも20年前に比べ、出生率がアップしているという。

■不妊治療と仕事「両立困難」が…

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