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 防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、雷の発生予測に向けた観測網を国内で初めて設置した。新観測網は雷の発生場所や、地上に落ちるまでの経路を立体的にとらえることができる。雷の発生メカニズムを解明し、落雷が起きそうな場所や雷の激しさなどを予測することを目指す。

 同研究所気象災害軽減イノベーションセンターの岩波越(こゆる)副センター長によると、新観測網は雷から発生する電磁波を1千万分の1秒間隔でとらえることができ、雷が雲のどこで発生して雲中をどう走って落ちたかが立体的にわかる。気象庁の雷監視システムは、落雷地点などの平面上の位置しかわからなかった。

 岩波副センター長は「新観測網を使えば発生過程の解明が進み、雷予測の精度が大幅に向上する」と話す。新観測網で得たデータに、最新レーダーが捉えた雨雲の状態を重ねることで、雷が発生する気象条件をより詳しく分析できるという。

 すでに東京、千葉、埼玉、茨城の4都県の計8カ所に観測装置を設置し、4月から試験的に稼働させている。来年中に12カ所にまで増やし、首都圏を中心に200キロ四方で雷の解析を進める予定という。同研究所は5年後をめどに、事前に落雷を予測できるシステムの構築を目指すという。(三嶋伸一)