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 私の人生を変えた筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、2012年の体調不良から始まりました。倦怠(けんたい)感が続き、体重は激減。難病専門の総合病院を受診しますが、病名特定に至らず不安だけが募りました。呼吸障害、インフルエンザからの肺炎を併発し、精密検査でALSと診断されました。14年、気管切開して人工呼吸器をつけました。自由を奪われ、徐々に手や足の筋肉が萎縮し、この病気の過酷さを知ることになります。

 現在は訪問看護・介護などのサービスを全て使い、何とか新潟市西蒲区の自宅で暮らしていますが、深夜の介護は妻(56)と母(79)に頼るしかありません。負担が限界に近いため24時間見守りの重度訪問介護を切望していますが、地元にうけてくれる事業所がなく、導入は難しい状況です。我が家最大の課題であり、介護の地域格差を痛烈に感じています。

 人工呼吸器をつけてしばらくは現実逃避し、ひきこもり生活を送っていましたが、昨年に日本ALS協会新潟県支部長に就任しました。活動を通じて出会ったALS患者は、障害がありながらも健常者と変わらぬ活動をしており、驚きと感動を受けました。私もこの病気に負けず、目標を持って前向きに生きると決心しました。

 最近の私のテーマは「つながり」。モチベーション維持のため、積極的に人との絆を大切にするよう心がけています。声を失い、手や足の自由を奪われた私ですが、舌で操作する入力ソフトを使い、「ALS患者のつぶやき」としてフェイスブックで発信し、交流の輪を広げています。

 ALSは難病中の難病と言われ、全国に9千人を超える患者が苦しんでいます。いつの日か、必ずや、病気の原因究明と治療方法の確立によって全世界からALSが根絶され、全ての患者が救われる社会の到来まで、「決して諦めない」という言葉を自分の心に刻み、歩む決意です。

<アピタル:医の手帳・ALS>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/

(ALS患者 北條正伯)