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 LGBTなどの性的少数者の就職活動を支える動きが広がっている。10月には、当事者の学生たちが企業の人事担当者らと交流するイベントが東京都内で開かれた。大企業を中心に性的少数者に配慮した採用が進む一方、情報不足など課題も残る。(土居新平)

 「LGBTはあくまでもダイバーシティー(多様性)の一つ。ゲイだからどうだとかは、誰も言いません。みんなパフォーマンスで評価されます」。日用品・食品大手のユニリーバ・ジャパンの中村力也さん(25)は、自社の強みを学生たちに説明していた。

 10月下旬、性的少数者の若者と支援者らでつくるNPO法人「ReBit(リビット)」(東京)が開いた交流イベントでの一場面だ。日本航空や丸井グループ、キリンなど大手24社がブースを出展。性的少数者の学生や社会人らに、性的少数者が働きやすい環境づくりへの取り組みや採用方針を説明した。企業と学生ら計約800人が訪れた。

 中村さんが同性愛者であることを周囲にカミングアウト(公表)したのは、昨年のことだ。「私がこう話したらどうなるだろう、といつも考えていました。だからLGBTの人には物事を客観視する能力があると思います」と語りかけた。

 ユニリーバでは、全社員が守る義務がある指針に「性自認や性的指向による差別禁止」と明記したほか、採用応募時の性別欄に「Prefer not to say(記載しない)」との答えも用意している。

 他の企業の取り組みも様々で、ソニーも性別の記入は任意だ。丸井グループは幅広いスーツのサイズを用意し、体と心の性が違う人にも対応できる商品づくりをしている。

 日本IBMは昨年1月、同性パートナー登録制度を導入し、配偶者と同じ福利厚生を受けられるようにした。登録第1号の川田篤さん(56)は「当事者は“表通り”を歩いてはいけないと考えがちだが、選択肢を狭めないでほしい」と話す。

「社会、変わりつつある」主催者

 企業と学生らの交流イベントを主催したReBit代表理事の薬師実芳(みか)さん(28)は「自分には働ける場所がないのではと不安を持つ人たちに、一人じゃないと伝えたい」と狙いを語る。

 女性の体で生まれ、心は男性のトランスジェンダー。カミングアウトして臨んだ自身の就活では、約50社のうち2社から内定をもらった。だが、面接で「帰ってください」と言われたり、「子どもを産めるのですか」と聞かれたりもした。「LGBTに対する無理解による無意識の言動に傷ついた」と振り返る。

 2回目を迎えたイベントの参加…

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