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 女川町で長年、理容店を営んできた夫婦がこの秋、店を閉じた。津波で住宅兼店舗を失ったが、仮設店舗で再開して5年半続けた。閉店したいま思い出すのは、震災直後にお世話になった秋田県大仙市のことだ。5カ月間の滞在で元気を取り戻した夫婦は、「やさしい人ばかりで、今も忘れられない」と懐かしむ。

 夫婦は、みなと理容所の深堀浩一さん(74)と、きた子さん(74)。半世紀の間、海岸近くに店を構え、女川町民らの髪を整えてきた。「昼食もとれない時期もあった」というほど繁盛したが、津波ですべてが流失した。

 高台の知人の家に身を寄せたが、長女の夫が大仙市出身だった縁で、同市が用意した同市神岡の市営住宅に入ることになった。3月下旬に向かうと、米や冷蔵庫、日用雑貨など生活に必要なすべてを用意してくれていた。光熱費も負担してくれた。

 「身一つで行ったので、本当に…

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