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 2型糖尿病の治療目標を現行の診療指針より厳しくし、上の血圧を120ミリHg未満などにすると、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中といった合併症を抑えられることが国内で実施された臨床試験で明らかになった。24日付の英医学誌ランセット関連誌(電子版)で発表された。今後、糖尿病の診療指針の改定に影響を与える可能性がある。

 実施された臨床試験は「J―DOIT(ジェイドゥイット)3」(研究リーダー=門脇孝・東京大教授)。血糖値、血圧、脂質の管理目標値について、全国の糖尿病患者約2500人(男女45~69歳)を、現行の指針通りの値で治療するグループ(従来群=HbA1c6・9%未満、血圧130、80ミリHg未満など)と、厳しい値で治療するグループ(強化群=HbA1c6・2%未満、血圧120、75ミリHg未満)に分け、2006年以降、平均8年半追跡して心筋梗塞や脳卒中などの合併症が起きる割合を比べた。

 治療は運動や薬などによる。強化群に偏っていた喫煙者の多さを補正したうえで従来群と比べたところ、合併症や死亡は24%抑制された。脳卒中に限ると、強化群は従来群に比べ58%低く、進行すると人工透析が必要になる糖尿病性腎症も強化群が32%低かった。いずれも明らかな差があった。

 分析を担当した国立国際医療研究センター研究所の植木浩二郎さんは「19年に改定予定の糖尿病の診療指針では管理目標値をより厳しく見直す議論が進むのではないか」と話している。(南宏美)