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 キム・フィルビー。旧ソ連の諜報(ちょうほう)機関KGB(国家保安委員会)の協力者だった英国人二重スパイ。1988年に亡命先のモスクワで死去して30年近くになるが、今その名がロシアで復活し、プーチン政権下で称賛されている。2014年のクリミア併合で欧米とのきずなを失ったロシアが、最後までモスクワに忠誠をつくしたフィルビーをたたえることで、愛国心を呼び覚まそうとしているようだ。

 モスクワにあるロシア歴史協会の展示室で今年17年9月、「キム・フィルビー:スパイとその人物」展が開幕した。フィルビーを「ロシアのゆるぎない愛国者」として紹介し、ソ連時代にフィルビーがKGBに送った900通以上の英国の機密文書も一部だが初めて展示している。国営テレビでもフィルビーの番組が制作され、間もなく放映される。いずれもその生涯と活動ぶりをこれまでにないほど詳しく紹介する内容だ。

 フィルビーは「MI6」として知られる英国秘密情報部の幹部職員でありながらKGBの協力者として54年間活動してきた。1963年にモスクワに亡命、その後はずっとモスクワで過ごした。英国で活動してきたソ連のスパイ網「ケンブリッジ・ファイブ(Cambridge Five Soviet)」の中で最も有名な、悪名高い二重スパイだが、ケンブリッジ大学出身という経歴、特筆すべき上品な話しぶりに加え、ファシズムを何より嫌っていたことが、当時のソ連の諜報活動にとって最適の人物だった。

 「彼は理想主義者だった」。元…

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