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 同和対策の一環で、山口県が「県油脂協業組合」(下関市)に貸し付けた約4億円のうち、約2億円が回収不能になったことがわかった。組合が破産したためで、県は債権を放棄する見通し。29日から開会する県議会11月定例会で経緯を報告する。

 県によると、貸し付けたのは国や県の公金が入る「中小企業高度化資金」。共同で事業を営む中小企業の組合に融資するもので同和対策の趣旨を含む。未収金が目立ち、県は業者側を相手に返済を求める訴訟を次々と起こしている。

 県内の化成関連業者でつくる県油脂協業組合に融資したのは1977年。食肉の残りかすで油脂をつくる計画で、事業場の建設費約4億円を無利子で貸し付けた。だが、経営不振で90年の償還期限までに返済できず、県は代表者が営む別の会社に返済を求めたが、代表者は97年に死去した。

 県は2001年、組合が所有する建物や土地の競売を申し立て、04年に配当金約2千万円を受け取ったが、それまでの業者側からの返済金を加えても、この時点までに回収できたのは約1億円にとどまった。組合は09年には破産した。

 そこで、県は12年、すでに亡くなっていた連帯保証人3人の相続人計12人を相手取り、山口地裁に残る約3億円と違約金の支払いを求める訴えを起こした。

 訴訟は9月までに被告と和解するなどしたが、和解金の合計額は約9千万円で、約2億1千万円が未回収となる見通しだ。和解金の支払いを受け、ほかに請求先がないことを確認し、時効10年の経過後、債権放棄の手続きに入るという。

 県は「組合には収益が上がる前提で計画を作っていただき、県の審査も適正だった」との見解を示す。組合の破産は油脂相場の下落で事業のコストに見合わなくなったことが原因と分析。債権放棄については「事情の変化によるもの。残念と言うほかない」と、融資や債権回収に問題はなかったとの認識を示した。

 県によると、中小企業高度化資金の貸し出しが始まったのは1967年。これまでに、176組合に対し計817億円を貸し出し、156組合から約700億円を回収したが、県油脂協業組合を含めた20組合の114億円は回収作業が続いている。

■元県議、理事長と来庁の…

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