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 平昌(ピョンチャン)五輪の出場枠をかけたスピードスケートワールドカップ(W杯)は10日開幕のオランダ・ヘーレンフェイン大会で始まる。昨季出場したW杯女子500メートルで8戦全勝を果たした31歳の小平奈緒(相沢病院)には五輪シーズンの今季、かみしめる言葉がある。

 〈明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ〉

 今春、3度目の五輪出場に向けて長野市内で始動した小平は、シーズンへの思いを報道陣から聞かれ、インド独立の父マハトマ・ガンジーの言葉を口にした。

 昨季は2月の世界距離別選手権で37秒13の日本新記録で初優勝。世界スプリント選手権ではさらにその記録を更新し、日本女子で初の総合優勝を遂げた。世界の頂点に立っても、さらなるスピードやタイムへの探究心は尽きることはない。

 今季目指すのは「1%の上積み」だ。タイムで言えば、自己ベスト36秒75の1%(0秒36)を短縮できれば、36秒36の世界記録の更新も見えてくる。

 「日常生活では24時間スケートを考えている。休むことも友達と話すことも突き詰めればそこにつながる。磨き上げた自分自身を五輪に持っていきたい」

 今季はライバルも調子を上げてくる。五輪2連覇の李相花(韓)や500メートル元世界記録保持者の于静(中)らは手ごわい存在だ。

 〈いてもいなくても一緒。ただ自分の動きをするだけ〉

 体の動かし方を学ぶ古武術の先生から、心の持ちようをそう学んだという。だが、同走相手を全く意識しないわけにもいかない。「相手は自分を高めてくれる存在と認識しながら、やるべきことに集中できるのがいい」と語る。

 そして、競技人生の中で小平自身が思いついた言葉もある。

 〈与えられるものは有限、求めるものは無限〉

 オランダに飛び出し、自分を見つめ直した時にそう気付かされた。人から与えられることには限界がある。だから「与えられたことで満足するのではなく自分で求めていく」。その先に追いかける「究極の滑り」があると信じている。(榊原一生)