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 キリスト教弾圧の時代を乗り越え、4世紀以上にわたり長崎・平戸の生月(いきつき)島に伝わる祈りの歌「オラショ」の元になったグレゴリオ聖歌が4日(日本時間5日午前)、ローマ・カトリックの総本山・バチカンのサンピエトロ大聖堂で披露された。

 生月島で伝承されているオラショの原曲は、20世紀に入って音楽学者の皆川達夫氏らの研究によって特定された。曽祖母が同島出身という指揮者の西本智実さんと「イルミナート合唱団」が、4日に開かれたミサの最後に3曲を演奏。静かな旋律の中に込められた深い祈りの歌が、大聖堂の中に響き渡った。

 オラショの演奏は、バチカンで開かれている国際音楽祭の一環で、今年で5回目。今年はミサに京都仏教会の有馬頼底(らいてい)理事長が初めて登壇した。西本さんは「音楽を通じて、5年目にして音楽の向こう側にある『異なる宗教間の対話』が実現できた。来られなかった人からも、いろんな思いや力が寄せられ、作用したのだと思う」と語った。(バチカン=河原田慎一)