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 北海道根室市にあるアイヌ民族の城「根室半島チャシ跡群」(国史跡)がひそかな人気を呼んでいる。「日本100名城」に選ばれた2006年度は観光客の姿もほとんどなく、07年度も50人だったが、ここ数年増加。今年度は3千人を突破する見込みだという。本土最東端の歴史ロマンに城マニアの胸も躍る。

 「チャシ」とはアイヌ語で砦(とりで)や柵による囲いの意味。16~18世紀に造られ、見張りや祭事のほか、地域同士の談合(チャランケ)や集会、サケの遡上(そじょう)を監視する場所としても使われたといわれている。

 根室市歴史と自然の資料館によると、市内では32カ所のチャシ跡が確認されており、24カ所(計9万4千平方メートル)が1984年、国史跡に指定された。ほとんどがオホーツク海に臨む崖の上に築かれ、半円形か四角い壕(ほり)が巡らされている。

 「さまざまな性質の土を積み重ねているが、今もしっかり残っている。アイヌの土木技術の高さがうかがえる」とチャシの研究を進めている福田光夫・文化財主査(55)。だが、地域住民にもあまり知られていなかった。

 注目されるきっかけは06年。財団法人日本城郭協会(東京)が「北方の歴史や文化を考える上で重要」として「日本100名城」に選んだことだった。城をリストアップしたスタンプ帳(同協会監修)も翌年発行。北から順に番号が付けられたため、根室のチャシ跡群が1番目になった。

 そびえる天守、そそり立つ石垣…

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