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 サッカーJ2は残り2試合。3位に勝ち点2差で自動昇格圏内の2位につけているのが長崎だ。11日の本拠トランスコスモススタジアム長崎(諫早市)での讃岐戦に勝ち、3位名古屋と4位福岡がともに勝たなければ、J1昇格が決まる。

 2005年にJリーグ入りを目指して誕生し、13年からJ2で戦う長崎だが、今季は、開幕前から経営不振で揺れた。シーズン中の4月に地元企業の通販大手ジャパネットホールディングス(HD)創業者の高田明氏(69)が新社長に就任。同HDが支援するようになった。そこから選手の顔ぶれは大きく変わっていないが、8月末から今月5日の水戸戦まで11試合連続負けなしと、勢いに乗った。ある選手は「運営会社が立ち直った流れに乗って、選手たちも結果を残したいと思っている」と明かす。

 率いるのは、長崎の強豪・国見高出身で、現役時代は日本代表として活躍した高木琢也監督(49)。J1で突出した実績がある選手はいないが、J2岡山でプレーしたMF島田譲(26)や松本でJ1昇格に貢献したMF飯尾竜太朗(26)ら経験を積んだ選手は多い。5日の試合の先発平均年齢は26・7歳と比較的若く、「走力」がある。

 大型FWだった高木監督が就任5年目で作り上げたチームの特徴は、失点の少なさ。1試合平均失点の0・98点はリーグで3番目に少なく、島田は「守備は堅いチーム」と話す。得点は1試合平均1・3点とリーグで11番目だが、安定した守備を基盤に、個人技に頼らない速い攻撃を仕掛けている。

 発足当初は選手の約半数が国見高OBで、プロ選手はほぼいなかった。次第に力をつけ、13年、15年にはJ1昇格プレーオフに進んだが、敗退した。11日の讃岐戦に悲願達成がかかるが、今季J1広島から期限付き移籍で加入したGK増田卓也(28)は「目の前の試合に集中するだけ」と自然体を強調した。(堤之剛)

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 V・ファーレン長崎 

2004年に長崎県の島原半島の有明町(現島原市)で活動していた有明SCと国見高サッカー部OBを中心に作られた国見FCが合併してできた有明SCが前身。05年に、Jリーグ入りを目指すチームとして改称した。JFL(日本フットボールリーグ)などを経て、13年からJ2に参戦し、その時から高木琢也監督が指揮している。V・ファーレンはオランダ語のVAREN(航海する)などの言葉を合わせた造語。

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 長崎の昇格の条件 

J2の1位、2位はJ1へ自動昇格。3~6位はトーナメントによるプレーオフを争い、勝ち抜いた1チームがJ1昇格となる。残りは2試合で、すでに湘南の1位は決定。2位長崎は4位以上は確定している。11日の讃岐戦(19位)に勝ち、同日に3位名古屋と4位福岡が引き分けるか負ければ、長崎の2位が決まる。長崎の最終戦は19日で、相手は22位の群馬。11日に決められなくても、残り2試合を連勝すれば、2位は確定。1勝1分けだと、名古屋か福岡に勝ち点で並ばれる可能性があり、その場合、次に順位の決め手となる得失点差では長崎は不利な状況にある。