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 日本貿易振興機構(ジェトロ)の報告書で「営業秘密の流出に関わった」とされ、精神的苦痛を受けたとして、中国人女性がジェトロに550万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が8日、東京地裁であった。鈴木正紀裁判長は、執筆者は女性に取材をしておらず、関与したと信じる相当な理由はない、として名誉毀損(きそん)を認め、55万円の支払いをジェトロに命じた。

 判決によると、ジェトロは2014年、「中国における営業秘密の管理・その流出と対応に関する実態報告書」をホームページに掲載。事例の一つとして、中国の日系化粧品原料メーカーに勤務していた中国人従業員が、中国の同業他社に転職し、営業秘密の流出に関与したと紹介した。

 判決は、報告書は原告女性の名前を記載していないが、社名や肩書が明記され特定できると認定。女性と敵対する日系メーカーの情報を中心に執筆され、名誉を毀損したと結論づけた。

 判決について、ジェトロは「多くの点で主張が認められたが、一部名誉毀損とされたのは残念。内容を精査して対応を検討する」とコメントした。(後藤遼太)