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 「仏女(ぶつじょ)新聞」。奈良県生駒市の中学2年生、飯島可琳(かりん)さん(14)が自分でつくっている新聞です。東京・上野の東京国立博物館(東博)で開催中の特別展「運慶」についても特集を組んでいて、11月号で第2弾を掲載しました。運慶仏の「まなざし」から、人と仏の距離感について考察したり、搬出作業の密着リポートを巧みなイラストとともにまとめたり。さらに充実した内容になっています。

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 飯島さんが注目したのは、運慶が多用したとされる「玉眼(ぎょくがん)」。水晶片で目を写実的に表現する技法だが、運慶は、浄楽寺(じょうらくじ、神奈川県横須賀市)の阿弥陀三尊像(1189年、国重要文化財)から後、如来・菩薩(ぼさつ)に使わなくなった。

 その点について、こう推論している。「運慶が避けていたのは、如来像や菩薩像に『人間的な表情』を与えることだったのではないか。(中略)仏は、簡単に人間の願いを聞いてくれるような都合のよい存在ではない。というのが運慶からのメッセージなのだろうか」

 飯島さんは、搬出作業の取材を7月下旬に興福寺仮講堂で行った。寺や東博の特別許可を得て、運慶の父・康慶が造った四天王像の梱包(こんぽう)を見守った。像を持ち上げる様子について、「衝撃や運ぶ際の滑り抵抗は小さい方が良い。そこで滑りのよい合成樹脂の板を台座と床の間に挟んで使ったり、いれておいた合成樹脂を空気圧でふくらませて、床と立像の間にすき間を作ったり」と、細かな点も見逃さずに記した。

 四天王像の点検、緩衝材の巻き付け、四天王と足元の邪鬼との分離といった、行程を描いたイラスト図解も丁寧でユーモラスだ。

 執筆にあたり、東博の浅見龍介・企画課長にSNSを通して指導を請い、表現や用語にも細心の注意を払ったという。

 仏女新聞10、11月号は仏女新聞のサイト(http://butsujo.net/別ウインドウで開きます)で閲覧、ダウンロードできる。

 特別展は26日まで。一般1600円など。問い合わせはハローダイヤル(03・5777・8600)。(編集委員・小滝ちひろ