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 自分が被告となった刑事裁判で法廷に出入りする際に、手錠・腰縄をつけた姿をさらされ尊厳を傷つけられたとして男性2人が13日、国に計50万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。男性側は、見た目で判決前から犯罪者かのような印象を与え、個人の尊厳を保障する憲法に反するなどと訴えている。

 訴状によると、原告は30代と40代の男性。それぞれ覚醒剤取締法違反事件で起訴され、今年、大阪地裁と高裁で有罪判決が確定した。2人は裁判中に「法廷に来る親族や一般の傍聴人に手錠・腰縄姿を見られたくない」と主張。弁護人を通じ、ついたてを置くなど入退廷時の様子を見られない措置を裁判官に申し入れたが、実現しなかった。

 法務省は「訴状が届いたら適切に処理する」とコメントした。

 提訴後に会見した弁護団の川崎真陽(まや)弁護士によると、大阪弁護士会による被疑者、被告人対象のアンケートでも、多くの人が手錠・腰縄姿で入廷することに抵抗を感じると回答したという。「欧米や韓国でも手錠を外して入廷するのが常識。日本でもせめて見られないよう運用を変えていかなければいけない」と話した。

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 大阪弁護士会は4月、この問題のプロジェクトチームを発足させた。12月1日に和歌山市で開かれる近畿弁護士会連合会の大会でも法廷内の手錠・腰縄の在り方をテーマにしたシンポジウムが開催される。問い合わせは近弁連(06・6364・1227)。(大貫聡子)