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 世界最大の年金資産を運用している日本の公的年金基金が、環境や社会問題の解決をめざす投資に本格的に乗り出す。来年にも、株式に加えて債券や不動産など年金資産の運用先すべてにこうした環境・社会投資を広げる。年金基金は株式市場に影響力があるため、ほかの投資家に広がったり、企業が環境保護や社会への貢献、女性の登用などへの取り組みを進めたりする呼び水となりそうだ。

 この基金は、厚生年金や国民年金の保険料を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)で、約157兆円の資産を持つ。将来的にはこのうち数兆円規模を環境・社会投資にふり向ける見通しだ。

 同法人の高橋則広理事長が、環境や貧困、性による差別などの課題解決をめざす「SDGs(エスディージーズ)」(持続可能な開発目標)について朝日新聞と連携取材しているキャスター、国谷裕子氏のインタビューに答えた。

 高橋氏はインタビューで、これまで株式だけだった環境・社会投資を運用全般に広げられるよう10月に投資原則を改めたことを明らかにした。その理由として、環境や社会問題に取り組む経営が結果として長期的な利益につながり、「投資の主流というより前提になっている」と話した。

 まず7月から、日本の上場企業の株式を対象にこの投資を始めた。株式への投資にはリスクが伴うため、短期的な利益だけでなく、企業の持続的な成長が欠かせない。同法人は、環境や社会への貢献、女性の活躍などで評価が高い日本企業を選んだ指数をもとに、運用会社を通じて約360社に投資している。

 今は株式投資のうち約1兆円を投じているが、高橋氏は将来的には「国内株の1割程度(約3兆円)までに高めていこうと話している」とした。債券は10月、世界銀行グループと共同研究を始めた。不動産や未公開株式では、来年には体制を整える考えを示した。

 こうした投資の手法は、市場で…

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