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 8月に日本フェンシング協会の会長に就任した太田雄貴会長が国内で行われる大会の改革に乗り出した。12日に閉幕した高円宮杯W杯では随所に太田会長のこだわりがちりばめられ、観客増に成功。「まだ文化祭のノリの部分もあるが、第一歩としてはよかった」と笑みを見せた。

剣さばきを観客が「体感」

 2020年の東京五輪を控え、マイナー競技のフェンシングをどう盛り上げるか。31歳の新会長は意欲的だ。例年は2階席だけが観覧席だったが、競技するピストからわずか5メートルの1階席に客席を設け、選手の息づかいや剣さばきを目の前で体感できるようにした。

自らルール解説も

 フェンシングのルールの認知度はまだまだ低い。観客にわかりやすいように、決勝のピストにはLED照明を設けて勝ち負けが一目瞭然にわかるようにしたり、試合のない日本代表選手が観客の求めに応じて、ルールや試合を解説したりするサービスも始めた。太田会長も自ら試合の合間にピストに立って、冗談を交えながらルールを解説するなど、広告塔役を積極的に果たした。

 MCが会場を盛り上げ、男子フルーレ団体で日本が3位に入る活躍もあり、例年以上に大会は盛況だった。太田会長は「これから収支を見るのが怖い」と言いながらも、「海外選手が今までの日本の大会で最もよかったと言ってくれた」と手応えを感じたようだ。

「音楽やアートとコラボも」

 ただ、改革は始まったばかりだ。東京都内での大会は他競技だけでなく、音楽などのイベントとも集客を競い合うことにもなる。今大会の有料入場者数は昨年の約2・5倍に増えたものの、2日間で約1600人。会場の駒沢体育館ではまだまだ空席が目立つ。「音楽やアートとコラボをしてもいい。フェンシングはユニークな大会をやっていると思ってもらえるような大会を作りたい」。12月の全日本選手権で更なる改良を進める。(河野正樹