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 衛星写真を解析してビジネスに活用する――。伊藤忠商事が、そんな取り組みを始める。今月、米国の衛星画像解析会社「オービタル・インサイト」と協業契約を結んだ。人工知能(AI)を駆使し、農業から金融市場まで、幅広いビジネス分野での活用を見込む。

 オービタル社は、衛星写真を独自のAIで解析し、その結果を企業などに提供している。例えば、石油タンクは残量の低下とともにフタが下がる。その仕組みを利用し、衛星写真を使ってタンクの内側にできる影の幅から残量を解析。各国の石油の備蓄量を正確に把握し、金融市場での石油価格の変動を予測する。農業分野では、新興国などの広大な農地面積を割り出し、収穫高を予測できる。

 伊藤忠はこうしたデータを国内企業に売るほか、自社のビジネスにもいかしたい考えだ。石油や食料を扱う部門では、すでに活用法を検討している。

 衛星写真の解析に関連する市場は、年々急拡大している。衛星の小型化、低コスト化も進み、今後10年間で2千基ほどが打ち上げられるとの予測もある。伊藤忠の担当者は「衛星が増えれば写真も増える。ビジネスに活用できる可能性は無限だ」と話す。(鬼原民幸)